あなたの会社は大丈夫?!ブラック企業に入ってしまった後の対策

この不況の中、ブラック企業が増えているらしいです。ブラック企業って、もともとインターネットでうまれたスラングらしいですが、そんなこと私は全く知りませんでした。しかし、これまでブラック企業に無縁な会社で働いてきたかというと、どうもそうでもなさそうだということに気がつきました。

案外身近に「ブラック企業」はある

ブラック企業の定義自体が曖昧ではあるものの、そもそも新卒で最初に入った某化粧品会社は、その範疇に入るのではないか….今更ですがそう思うのです。例えば、自社製品の売上げ目標を達成するために、社員による自腹を切った商品購入を強要させられるということが当たり前のようにされていました。その化粧品会社はアパレルも手がけていて、半期に一度、新製品が販売されます。各支店や各部署によるのでしょうが、私が新卒で配属された支店では、公然と「1人二着は購入するように。」というお達しが出され、当時新入社員だった私は「古くさい服ばっかり…..。」と思いつつも、カタログの中でわりとマシと思える洋服を購入したものです。その金額は定価でおよそ10万円近くにはなったでしょうか。

また、新入社員研修自体も極めて怪しかった。当時は、化粧品の飛び込み訪問販売をさせられたのですが、ウン万円もする化粧品を合計10セット(10品ではありません、10セットです)販売し終わるまでは、本来の仕事につかせてもらえない。結果、他の新入社員はそれぞれの業務を習得し始めているのに、一年間延々研修期間で朝から晩まで大量の化粧品を抱え、飛び込みで訪問販売をしているだけという社員もいました。

売れない新入社員は、業務終了後にいったん会社に呼び戻され、先輩社員による厳しい締め付けがあって、次第に生気を失っていったりします。まあ、新入社員を利用した売上げアップ策だったとしか思えません。当時、新卒で全国採用される数はざっと100名ほど。化粧品のセット価格は高いものは約10万円、安いものでも2万円近くはしますから、1セット平均5万円と考えると、5万円×10セット×100人=5,000万円もの売上増につながります。とはいえ、多くの社員が研修期間で脱落していきますから、ここまで単純ではなかったでしょうけどね….。

問題は、社長自体がそういった研修による脱落者を見込んで多数採用していることを社員の前で平然と話していたこと。典型的なアクの強いワンマン経営者で、「20年も生きてきた人間が教育でそうそう変わったりはしない。しかし、100名もとればその中で1人くらいは光るやつもいる。」などということも平然と言っていました。それってつまり「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ってことだろうか….と複雑な気持ちになったものです。

役員を全社員の前で「おまえは顔が暗い!降格だ!」などと吊るし上げることも日常茶飯事。社員を大切にするという姿勢がそもそもない方でした。しかし、私はそこに5年くらい在籍していました。別に激やせしたり、円形脱毛症をつくったりすることも、もちろんうつ病になったりすることもなく。そもそも過酷な環境に耐えたという実感も特にありません。理由は、私があっけらかんとした性格だったから….それに尽きると思います(笑)。

しかし、そんな能天気な私でも、自分なりに仕事をしていれば、基本的な業務については学びますし、会社の姿勢を見て「これでいいのか?」くらいは考えるもので、3,4年もたてば「これ以上ここに居続けても成長しない。」ということもわかります。そこで転職、次は企業理念や社風、そして、自分の気質等も考え、私にぴったりあった伸び盛りのすばらしい企業と出会い、多くのことを学ばせていただきました。と言いたいところですが、正確には、その企業に出会う前に、もう1社、もっとひどいブラック企業に紛れ込んでしまい3週間ほどびっくり仰天の経験を積むのですけどね(笑)

日本のほとんどの企業はブラック企業?!

冒頭でも述べた通り、ブラック企業という言葉自体、インターネット上でできたスラングですからその定義は曖昧です。ウィキペディアには様々なブラック企業の見分け方が例として上がっています。これを見ると、「日本のほとんどの企業は考えようによってはブラック企業なのでは?」と思えるほどです。

一方で、最近は、米国のオンライン小売業、ザッポスのような夢のような優良企業が話題になっています。こういう会社に巡り会えた人は幸せです、それは間違いありません。しかし、そんな人がどれほどいるでしょうか?そもそも、世の中の成功者と言われる人が、最初から鋭い選択眼を持って、常に恵まれた環境で着実に実力を積んでいったかといえば、必ずしもそういうわけでもないでしょう。

コアなファンに根強い人気の「銀河鉄道999」の原作者、松本零士さんだって、長く漫画を書いていたある新聞社で新卒採用されることを約束されていたものの、担当部長が異動になると「そんな話は聞いていない」の一言で就職話は立ち消えに。あまりのショックで失語症になるほどの孤独感を味わったそうです。

恵まれた環境でなくても、失敗しながら仕事観を作っていく

もちろん、若くして賢く、自分なりの仕事観もしっかり持っているのであれば、それはすばらしいこと。しかし、多くの人たちは、依然として「なぜ働くのか」ということに悩み、自分の選択眼のなさを嘆いていたりもします。それでもいいのではないでしょうか。失敗を重ねながら、自分の仕事観が出来あがってくることだってあるでしょう。

大切なのはいかに恵まれた環境に身を置くかということではないと思います。そんなことをしていたら、どこに就職することもないまま、時間だけが過ぎてしまいかねない。避けられる失敗は避けた方がいいでしょうが、それよりもまず、とにかく仕事をし続けること、そしてそこから何を学ぶか、適切な軌道修正をしていくか、ということのほうがよっぽど重要ではないでしょうか。

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