今や豆まきよりメジャーになった感のある「恵方巻き」が市民権を得た理由

今年もやってきます、「おにはーそと、ふくはーうち」の季節。そう節分です。子どもが産まれると四季の行事をきちんとしようという気持ちになるもの。我が家は私の方が子ども以上に楽しみにしている感もあるほどです(笑)

節分といえば「豆まき」

さて、節分と言えば、なんといっても豆まきではないでしょうか。私も子どもの頃は、妹と一緒に「おにはーそと!ふくはーうち!」と張り切って豆を投げたものです。集合住宅だったので、外と言っても本当に家の外に投げることはできなくて、窓の方角に投げるだけでしたけど、同じような子ども達の声がここかしこから聞こえてきたりするのも、特別な日のわくわく感が増す要因だったように思います。だけど、豆を投げるなんてことを喜んでするのは、せいぜい小学生のうちくらい。そのうちになんとなくやらなくなってしまいました。

ところが、そんな風にしているうちに、節分のしきたりに徐々に変化が見られるようになりました。豆まきに変わって恵方巻きを食べる、という家庭が増えているのです。恵方巻きとは、節分に食べると縁起がいいとされる太巻きのこと。私もご多分に漏れず購入したことがあります。しかし、この恵方巻き、はっと気がついたら、節分になくてはならないもの、みたいな存在感を放っていますが、一般的になったのってそれほど前ではありませんよね。今日は、恵方巻きがここまで普及した理由をちょっと考えてみたいと思います。

最近はやりの「恵方巻き」の由来

さて、恵方巻きの由来にはいくつかの説があるようです。例えば、豊臣秀吉の家臣が、たまたま節分に海苔巻きを食べて大勝利を収めてから節分に食べられるようになったという説もあれば、戦後に大阪の海苔問屋協同組合が作成した「節分の丸かぶり寿司」をPRするポスターを、寿司屋が共同で店頭に張り出し広められたという説もあります。しかし、それでもやはり節分と言えば豆まきという位置づけは変わらず、恵方巻きは関西地方のローカルな風習でしかありませんでした。

それが一気に全国に広まったのは、セブンイレブン株式会社セブン&アイ・ホールディングス)の力によるものと言われています。1989年に広島市フランチャイズのオーナーによって発案され恵方巻きの販売を開始、1995年には西日本に販売エリアを拡大、1998年に全国展開をしたことで急速に普及、今では全国のコンビニエンスストアで販売促進キャンペーンが行われるようになっていますよね。

恵方巻き」が流行った理由は「ラクだから」?!

ところで、あくまでローカルだった風習が、コンビニの力によるものが大きいとはいえ、ここまで普及したのはなぜでしょう?それは、主婦ならピンとくるものがあるのではないでしょうか。だってこれ、楽ですもん。恵方巻きのルールはたった3つ。

1.節分の夜に恵方の方角に向かって食べる。
2.目を閉じて一言もしゃべらず食べる。
3.刃物で切らず、丸かじりして食べる。
これだけ。奇妙なほどなんの手間もかかりません。

昔はメジャーじゃなかったのに、いつのまにか定番になった季節の行事って他にもあります。例えばハロウィンとか。準備する主婦の立場からすれば、はっきり言って「手のかかる行事を増やすな!」って感じもするわけです。でも、恵方巻きなら、太巻きを一本どかっと夕食に出すだけ。太巻きですもの、別に買ってきたところで引け目を感じることもないですし、とにかく大きいから、これひとつ食べればみんな満足、家計に響くこともない。

一年は365日もあるけれど、こんなに手抜きをして家族が喜んでくれる日って節分の日くらいのもの。豆巻きをして、家中に散らばった豆を片付ける手間を思えば、断然恵方巻きに軍配があがります。主婦のハートを鷲掴みした恵方巻き、これからは豆まきより主流になっていくのではないでしょうか?!

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