「断捨離」のススメーある主婦のやせる化粧品との決別編ー

断捨離ブーム

みなさん、年末は大掃除をきちんと済ませて新しい年を迎えられましたか?それほどたいしたことはやらず、なんとなく表面的に掃除をして終わり….という方もいるようですが、昨年はやましたひでこさんの「断捨離(だんしゃり)」がブームになったこともあり、一発奮起して片付けをしたという人が私の周りにはけっこうたくさんいました。

断捨離とは、ヨガの「断業」、「捨行」、「離行」という考え方を応用し、不要なモノを断ち、捨てることで、モノへの執着から離れ、身軽で快適な生活を手に入れようというもの考え方で、やましたひでこさんのブログ(外部リンク)を通して広まりました。

年末、そんな考え方に触れた主婦同士で、捨てられずにとってきたけど、とうとう捨てたものについて話すことになったのですが…..。

痩せる化粧品が捨てられない……

Aさんは、50代に突入した主婦。デザイン会社を経営するダンナ様との2人暮らしで、ご本人は老人ホームでケースワーカーのお仕事をされています。こういってはなんですが…..一見すると、ちょっと目立つくらいに太っていらして、年中ダイエットをしているようではあるのですが、一気にコロッケを6個食べてしまったとか、ケーキをダンナ様の分をあわせて4個買って帰ったのに、ダンナ様が帰るまで待てなくて全部食べちゃったとか、そんな話ばかりで一向に痩せる気配はありません。

一方で、痩せる効果があると言われる化粧品を見るとじっとしていられないらしく、次々と購入してはせっせと気になる箇所をマッサージしているのだそうです。そんな彼女の家には、当然のように使いかけの化粧品がたまっているそうで……。彼女の心理をやましたひでこさん流に分析するとこんなところでしょうか。

「効果のほどが実感できない使いかけの化粧品が捨てられないということは、『きれいになるために健気に努力している私』を捨てられない、具体的に言うと、『美しさへの憧れ』『"美しくなって、周囲にちやほやされている私"への憧れ』があるのかもしれません。突き詰めていくと、体型に対するコンプレックスや『誰かに認められたい欲求』が見えてくるのです。」

捨てられない理由は?

女性は、痩せる、しわがなくなる、シミが消えるといった類いの化粧品に弱い。次から次へと購入するものの、効果があった試しは無かったに等しい(私の場合)。彼女も体型の変化がない…どころか、横に着実に大きくなってさえいるところを見ると、私以上にその効果に見切りをつけてもいいはずです。それなのにしがみついてしまう。その心理ってなんなのでしょうか。

今の私たちは、なかなか等身大の自分を受け入れられない苦しみを抱えがち。例えばAさんの場合は、若い頃のスマートな自分の姿が捨てられない。今は、美魔女(参照記事:美魔女は「美女」?それとも「魔女」?怖いくらい年齢を感じさせない女たち)がブームになるなど40代以上でも美しさを維持している女性が雑誌を賑わせていて「女たるもの、あきらめないで努力をすれば、いつまでも若く、美しくいられるはず。」というメッセージを常に受けて暮らしているわけです。そんな中で、知らず知らずのうちに自分の理想のイメージが膨らんでしまい、「私はこんなはずじゃない。」という現実とのギャップに苦しむことに….女性なら多かれ少なかれわかりますよね、この気持ち。

断捨離をして、新たな心の状態をつかむ

断捨離とは、単に片付けのノウハウのことではないと言います。あふれかえる不要なものを捨て、新たな心の状態をつかむことを意味する断捨離。さて、山のように溢れ変える痩せるための化粧品を捨てたという彼女は、果たして新たな心の状態を掴むことができたのでしょうか。

それはもしかしたら、「新しい化粧品を持っているだけで満足し、いつか本気でやれば痩せるはずと思い込ませようとしていた自分もいたかもしれないわ。思いきって捨ててからは、毎日痩せなきゃと口癖のように言うばかりでなく、かといって不安を紛らわせるように化粧品を買いまくるのでもなく、食べ方を変えたり、運動をはじめたりしようと言う気持ちになったわ。」かもしれないし、「太ったって私は私。50歳にもなれば、代謝が落ちて太っていくのは自然の法則よ。食べるのが好きなんだもの、少しぐらい太ったって、明るく、楽しい毎日を過ごせる方が私らしいわ。」かもしれない。

何を捨て、どんな新しい扉を開いていくか。それを考えるのが、大人の知恵というものなのかもしれません。

化粧品の容器のリサイクルも

ちなみに、余談になりますが、化粧品の容器のリサイクルというのはあまり進んでいないようです。しかし、株式会社ノエビア では化粧品の使用済み容器を回収し、ガーデニング用の植木鉢などにリサイクルするという活動を行っています。全国約800ヶ所の化粧品店に回収用の箱を置き、集めた容器を同社の工場で洗浄後、リサイクル業者に渡すというもので、リサイクル活動を化粧品会社が行う実例は珍しいのではないでしょうか。

使い終わった商品の終わりを行政任せでなく、企業が責任を持つことが常識になれば、私たちの税金も無駄にならず助かりますよね。断捨離に目覚めた後は、捨て方にもこだわれば、自分にも社会にもよりよい未来が訪れるのではないでしょうか。

参考
化粧品業界の関係性が一瞬でわかる地図

☆関連記事☆
エコな婚活
あなたの寄付はもしかしたら迷惑がられてるかも?
給食費未払い問題は「親たたき」?滞納率50%という数字の真実とは